建物の寿命・考 8 熊野大社

熊野を詣でてきました。

「熊野の くま とは深く鬱蒼とした森を表す」とのこと。
熊野は今でも都会から遠く、昔の徒歩での参詣は命がけだったでしょう。
それでも人々が熊野を目指したのは「熊野の地は黄泉(よみ)の国であり、
ここから帰れば蘇(よみがえ)る」という信仰によるといいます。

熊野本宮大社は熊野三山(本宮、速玉、那智)信仰の総本宮です。
大社のHPに社殿の創建は崇神天皇65年(紀元前33年)とあり2056年も前。
しかし明治22年(1889年)の大水害により社殿が倒壊し現在地に上四社のみが
移築されました。
この社殿もすでに134年を経過しています。
建物の寿命に物理的限界があっても人々の信仰に支えられる社寺は改修や
再築が繰り返され生き続けています。
熊野大社にも膨大な人々のエネルギーが注がれ続けてきたことでしょう。

鉄やコンクリートが支える今の社会が木で支えられてきた昔の社会より
本当に長寿命か?考えさせられます。

熊野古道
熊野大権現
熊野速玉大社参詣曼荼羅
那智大社より那智の瀧