建物の寿命・考 2 津波遺構

岩手県宮古市の津波復興を見てきました。
今年は東北太平洋沖地震から11年で被災地は完全な復興にはまだ遠いですが
インフラや建物はかなり復興されているように感じました。

このホテルは津波からの倒壊を免れ津波遺構として保存されています。
ホテルが倒壊を免れたのは新耐震基準(1981年施行)による高靭性と
ALC版が津波で割れて津波の巨大な水平力を受け流すことができたのが要因だと思います。
このホテルでは的確な避難誘導がなされ被害者はありませんでした。
津波の来襲を6階で記録していた従業員の方にお会いでき、
当時の映像を拝見しましたが鳥肌が立ちました。

この建物は1986年竣工で2011年の被災ですから25年間はホテルとして稼働し
その後は津波遺構として生き続けていく稀な建物です。
建物としては不幸なのか幸せなのか、考えさせられます。